ピピン

バービーのピピンのレビュー・感想・評価

バービー(2023年製作の映画)
4.1
凄い脚本だ!
単純明快コメディックでハッピーなフリしてかなり複雑で全編皮肉だらけ!

古来から有る人形遊びは女の子が赤ちゃん人形で遊ぶだけのものだったというところから始まるが、これは人間の持つ本能的な行動を意味している。

それがバービーの登場で一変し、赤ちゃん人形を投げ捨てフェミニズムを叫ぶようになるのだ。
しかし女性の憧れバービーはビジネスで儲けたい人達の仕掛けでしか無く、洗脳の象徴なのだ。

女性躍進に貢献して来たはずのバービーも、現代ではフェミニズムを50年遅らせたと罪人扱い。

これは活動家を徹底的に皮肉っている。

バービーランドは男女が逆転した女尊男卑の世界。
外の世界で洗脳されたケンがリーダーとなり男性躍進の為の反乱を起こす。
すると何故かケンの人形がバカ売れしだすのは笑ってしまった!

バービー達は男性を二分化して対立構造を作り争わせバービーランドの支配権を取り戻す。

これは正に社会情勢の縮図で、世の中の支配者側が何をやっているかを端的に描いている。

要素が有り過ぎて書ききれないが、世の中は儲けたい人達や支配したい人達の作った洗脳に溢れていて、必ず何かの仕掛けに洗脳されているという事。

そしてラストのバービーの行動はオープニングとも繋がる人間本来の本能に立ち返れというメッセージ。

作品全体のテンポや間が個人的には合わなかったのが少し残念だが本当に凄い脚本だと思った。
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