カカオ

バービーのカカオのネタバレレビュー・内容・結末

バービー(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

ずっと観たかったから期待値もかなり高かったけど、それを大幅に上回るくらい好きな作品だった!
皮肉たっぷりに世界のグロテスクな部分を嫌というほど浴びせ続けて精神にガンガン訴えかけてくるので、途中で本当に気分が悪くなった。最高!
それでもユーモアに溢れてるからすごく見やすかったと思う(面白おかしく描かなきゃ人はなかなか見てくれないしね)。

ああこんな作品が観たかったんだ、と一番思わせてくれたシーンが、ケンダムランドに絶望したバービーが装飾品をなにもかも投げ捨てて道端に座り込み、「ここに座って待つ。リーダー系のバービーが正気に戻って混乱がやむまで」(ネトフリの字幕から引用)とうじうじするところで、痛いところを的確にやさしく突いてくれるなと感心した。
差別にきちんと苦しむくせに、変化が怖い。
いつだって前線で傷つきながら、必死で声を上げてきたひとたちに救われるのを、世界の隅で膝を抱えてその成果を今か今かと口を開けて待つだけの自分を、どこかで恥じている事を見透かされたようだった。
今すぐ矢面に立つ必要はないと思うし、それこそ誰もが日陰になる事なく分担していけるのが理想的だけど、そう簡単にまわらないだろうから、まずは自分を大好きって心から思えるようになれたらいいな。
この映画がさまざまな国で公開され、大ヒットしたという大きな希望が背中を押してくれるような気がする!

ラストシーンもエンディングも大好きだな〜
何度でも観たい作品がまたひとつ増えた!
カカオ

カカオ