・生まれながらにハイスペックでカリスマな女の子バービー
・バービーの存在にスポイルされ、付属品という立場に甘んじる男の子ケン
バービーというタイトルだけど、バービーとケンの二人が主人公だ。ポスターの中で見切れるケン、タイトルにならないケン。そこにすごく意図を感じた。
実際天性の才能に振り回される人っている。またどデカい存在の裏でスポイルされる人もいる。
そんな人が今作を観て自分の心の声を聴き、誰かに強制されない人生を歩む勇気を持てたらとても素敵だ。
人生哲学としてはいい話。
でもジェンダーを扱う作品として見ると結構スカッとしないなと思った。
あの小太りおばさんが長々と喋ってたのって要約すると「チーム女で頑張りましょうね」なのだが
彼女が出してた苦労の例は男性にも普通に当てはまる。
今回の作品だと男性らしさが悪く描かれすぎていて「そこまで極端なフェミニズムに寄ってまで女性鑑賞者を力付ける必要って？」と思った。
バービーとケンはそもそも人形=抽象的な存在なので、極端なことを主張するのにいくらでも使えてしまう。
危うい素材だと感じるのは私だけだろうか。
全ての性の人間に同じだけの尊さがあることをお約束ながらきちんと描いた上で、ステレオタイプの人間が自分の人生を歩み始めるシンプルな話であってほしかった。
