まゆ

ノクターナル・アニマルズのまゆのネタバレレビュー・内容・結末

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます


すさまじくおもしろかった。あっという間に見終わった。

気になるのは、スーザンの読む「夜の獣たち」の映像はスーザンが作り出したものだということ。ストーリー自体はゲラに沿っているだろうけど、エドワードをトニーに、自分を妻役にというのはスーザンによるキャスティングであり、必ずしもエドワードの意図を汲めているとは言えないよなあ。信頼できない語り手ってやつ…

スーザンの中では、トニー(エドワード)は妻(自分)と娘(娘なのか息子なのか、彼女がかつて妊娠していた子どもの存在をエドワードが知っていたかは分からないけど)を失って必死に探し求めて、最後はそれを失わせたものと相打ちに命を落とす物語として読まれたのかもしれない。しかも現在の夫は不倫してるし、夢も諦めて仕事もどうでもよくて、そんなときにこの物語がfor Susanの献辞入りで届くんだから、スーザンの中では「エドワードはまだ自分のことを好きでいてくれてるのかも」っていう都合のいい解釈になっているのでは。

でも最終的にエドワードが現れないということはスーザンの解釈は間違いなんだろうな。
まゆ

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