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20センチュリー・ウーマンのsheのレビュー・感想・評価

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)
4.0
ああーーーーとっても好きなやつ。

鮮やかな海のショットで始まり、ジュリーとジェイミーは何かを求めて海を見に行き、そしてドロシアが優雅な表情で海上を飛びながら幕を閉じる。何よりも前からそこにあり、この先もずっとある雄大で優しい海や緑や日差しが人物を暖かく見守る。

自分がどうあるべきか、他者とどう関わるべきか、時代をどう捉えるべきか、いくつになっても悩んで葛藤しながら生きてる姿がたまらなく愛おしい。格言的なものが随所に散りばめられているけど、どれも日常の何気ない会話の中で出される言葉だから、ものすごくリアルなうえにほとんど忘れてしまった。でもそんな空気感が心地良くて、時々ハッと気が付かされてゆるゆる流れる。誰かの人生のひと時をちょっとだけ覗ける点では「6才のボクが大人になるまで」と似てるかな、と思った。

インテリア、ファッション(特にアビー)、全体の色味のバランスも最高。あまりにお洒落すぎて最初の方ただのアート軟弱映画だと思ってしまって申し訳ない。

エルファニングが林の中で物憂げに煙草を吸う姿は混ぜるな危険的なヤバさがあるし、グレタガーウィグ演じるアビーが女性としてカッコ良すぎて赤髪ショートにしたくなる。

「As Times Goes By」の歌詞がこんな瑞々しい青春映画にぴったりなんて驚き…。幸せになるための正解は出さない(正解はない)けど、観終わった後の清々しさが気持ちいイイイーー!!!
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