藤田武彦

20センチュリー・ウーマンの藤田武彦のレビュー・感想・評価

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)
3.2
母と息子と3人の下宿人。
ジェイミーが、まわりの影響を受けながら、自由で優しさをもちながら成長する。

ジュリーとアビー。
素敵な身近な異性から、直接人生の機微を教わります。

それに対してウィリアムとは、初めに一言挨拶するだけで、言葉を交わすシーンが無いのですね。
微妙なことは、異性から教わる方がよいということでしょう。

食卓で「生理」について語るシーンが象徴的。
親は話題を変えたがるが、アビー達は敢えて話し続ける。
語りにくいことも、口を閉ざさず語ることの大切さを描いているのでは。
なおこのシーンで語られる「カッコーの巣の上で」、も名作です。

人に教えることを描きつつ、登場人物のしなやかな演技に、理屈抜きで楽しめます。
アネット・ベニングは、年を重ねた母の苦労と、親としての威厳、女性としてのしなやかさを演じています。
また、エル・ファニング演じるジュリーはとにかくかわいいですね。
観る人の年代に応じて感情移入できる映画では。
藤田武彦

藤田武彦