Kumonohate

レディ・バードのKumonohateのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
4.0
いずれもシアーシャ・ローナンが主演という理由だけじゃないような気がするが、「ブルックリン」と重なる。両作とも地方都市(とはいえ「ブルックリン」の場合はアイルランド)から大都会に出る(出ようとする)話だからだろうが、「ブルックリン」と重なるということは、すなわち、本作も良かったということ。

内容は、母娘の葛藤を軸に、そこから羽ばたいて大人としての自立を果たそうとする女子高生の成長物語。そこに、恋だの友情だのセックスだのがからんでくる。いってみれば、繰り返しいろんな作品で描かれてきた普遍的テーマ満載のおハナシなのだが、飽きない。主人公の高校がカトリック系だからか生徒は制服を着用しているが、日本と違ってJKのスカートがミニじゃない。制服も可愛くない。主人公はウソつきだし、痛い奴だし、口が悪いし、カンニングする。にも関わらず(あるいは、だからこそ)瑞々しい。監督の実体験が元になっているからか、常に目線がJKで、「少年少女かくあれかし」的な大人目線じゃないからだと思う。

ただ、アメリカにおけるキリスト教文化の知識があれば、もっと色々読み解けるんだろうなと思う。アメリカでの評価が完璧なぐらいに高いのには、そうした背景があるんだろうなと思う。
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