rage30

ワンダーランド駅でのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

ワンダーランド駅で(1998年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

男女が出会うまでの恋愛模様を描いた作品。

全編に渡ってボサノバが流れ、小気味の良い編集による軽快な語り口も印象的。
ウディ・アレンの映画をよりインディー風にした感じというか、とにかくまぁオシャレな映画でしたね。

特に劇的な展開があるわけでもないし、大爆笑する様なギャグがあるわけでもないのだけど、クスッと笑えるシーンはあるし、ロマンティックなシーンも用意されていて、雰囲気に浸るだけでも楽しい作品でした。

物語面で面白いのは、主人公である男女がラストまで出会わない事。
劇中、何度もすれ違うのでヤキモキさせられたし、それが終盤まで続くので、このまま出会わずに終わるんじゃないかと、ヒヤヒヤさせられましたよ。笑

2人が出会ってからの描写は短いものの、両者の共通の価値観を示す事で、良い関係になるんだろうなと思わされたし、何より2人の過去や人間性を知っていればこそ、2人の幸せを願わずにはいられないというか。
男の方は女性に対して誠実な人間である事は伝わってきたし、女の方はなかなか良い男に出会えなかった事を知っているわけで。
だからこそ、2人の恋を応援したくなるし、2人が出会えた事に安堵を覚えるのでしょう。

有名な俳優はフィリップ・シーモア・ホフマン(短い出演時間でも強烈な印象を残すのは流石!)ぐらいで、地味な作品ではありますが、知られざるラブコメ映画の佳作と言ってもいい作品かなと思います。
世界観や価値観がハマれば、生涯ベスト級に刺さる人がいても不思議ではない…そう思わせる程の独特な魅力がある作品でした。
ラブコメ好きな人には、是非チェックしてみて下さい。
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