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あなたの旅立ち、綴りますのLCのレビュー・感想・評価

あなたの旅立ち、綴ります(2016年製作の映画)
3.9
面白かった。

久しぶりに、ジェットコースターみたいだった、という余韻に会えた気がする。
冒頭から怒涛の下げ(如何に酷い人であるか描写する、という意味で)が展開されるが、これはジェットコースターが上がっていってる段階だったんだな。乗り込んでることもセーフティバーをカチッとしたことも気が付いてなかった、そんな暇与えずに上り始めてたってこれ。そんな感覚なんだって本当これ。
何となく気になった映画を碌にあらすじも読まずに次々と見る習性のせい。そうかも。

自分で決めて、ちゃんと発言して、行動もする。だからこそ、その強烈な生き方に鮮やかさを見ることができる。アスファルトを穿つ巨大な花々、強風サーフィンする新芽、ダンスホール中央で空を仰ぎ見る音楽そのもの、各自好きに例えていいけど兎に角そういう感じ。例えがぶっとぶのも久しぶりだな。でも、それくらい楽しかった。

そんな生き方は誰にでもできるもんじゃないと思う。体力気力がもたん、そのエネルギーは太陽光発電だけで間に合うかわからん、倒れれば倒れる程HPが上限突破して回復する特性のグリズリーくらいだ、いいんだ兎に角ジェットコースター感が伝わればそれで完璧。

激烈に生きる人の周りはとてつもなく大変だろうことはわかる。本作でもたくさん被害者が出てくるし、作中で主に交流を深める文字書きさんもしっかり大変そうであった。失敗するの怖いねん、ちょっと自分のこと守らせてもらうで。しかし向かってくるのはグリズリーである。やむなく迎え撃つもHP上限突破的回復状態でそこにいる。

このジェットコースターを小さな体で楽しむ子、将来有望にも程がある。
楽しみ方が段々とわかってくる文字書きさんも、エッセイの完成を待ち遠しくさせる。
引っぺがされたロゴは救急搬送されてもダメかもしれない。心を寄せてくれていた人の嬉しそうな顔が良き。心に効く良い栄養感ある。

訃報の内容は、亡くなった人の人柄を知って、その上で関わりのあった人たちの言葉を汲んで書かれたものだと、彼女は思ったのだろうか。実際は、よく知らんけど取材した相手がそう言ってたからそう書いた、みたいな感じで、だからガッカリしたんだろうか。
それにしてもレベルの上げ方がグリズリー。グリズリー相手にすればレベル上がるやろ的な。生還できて本当に良かった。確かにレベル上がったな。

家族は本当に、今幸せに、穏やかに生きることができているなら、それも嬉しいよ。

いい1日じゃなくて、素直な1日を生きて。
彼女のDJ、結構好きだな、私。
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