このレビューはネタバレを含みます
前半は光と影の映画。閉じ込められた部屋で母と息子の二人暮らしで作中はほぼ息子のジャック目線。彼にとっては光の当たった部屋の景色=心と頭、であり虚実混交。、夜、ニックと母と寝てるところに起きてくる所は自分の知っていた事の裏側に触れる出来事であり、そこから外に出ることを画策するという展開は無理は無い、この映画の世界においては。
しかし山場は外に出て以降の「部屋」でのトラウマと世界の溝を如何に埋めるかについての中盤から。特に「部屋」との共通点であった架空の犬や(一時的に)母親と離れて記憶の象徴としての髪を切るところは良かった。
ただやっぱりジャックかっこよすぎ&いい子過ぎ。五年間閉じ込められてたのに、言葉に理解ありすぎるし。外に飛び出して今まで自分が見聞きしてきた世界が真実ではないと知らされたら、もっとショッキングな筈だし、下手したら母親より多くの葛藤を抱え込むのではないだろうか。最初のおはようから最後のさよならまで超かっこいい。
この映画はジャック(と彼を演じたジェイコブ・トレンブレイ君)の為の映画だといいたい。かわいいは正義ってことなのかな。