このレビューはネタバレを含みます
映画の前半は監禁された親子が部屋から脱出するお話。母親が監禁されてから生まれた息子ジャックは外の世界を知らず、狭い部屋の中が全てでテレビや本に出てくるものは架空のものであると教えられてきた。そんな中5歳の誕生日を迎え、だんだんこの世界の矛盾が産まれてくる。
脱出を決意した母親は、ジャックに死んだフリをさせ、犯人が死体を捨てに行く隙を狙って息子に車から逃げて助けを呼ぶよう教え込む。
何とか逃げることに成功したジャックは、警察に保護されその後無事母親も保護された。
(ジャックを逃がしてしまった犯人が、母親に何もせずそのまま逃走?したことに少し疑問を感じたが良かった)
そして物語後半、無事監禁から逃れることが出来た親子を待ち受ける、すっかり変わってしまった周囲の人や環境そしてマスコミ達。
脱出できて嬉しいはずなのにずっと不穏な空気が漂う。
最初こそ初めての外の世界に戸惑うジャックだったが、医師の言葉にあった通り「子供はプラスチックのように柔軟」で、なんだかんだ周りの人や環境に打ち解けていく。それとは対照的に母親は病んでいく、、、
疑問に思ったシーンは母親の父(ジィジ)が夕食をとるシーンでなぜ、ジャックを直視することが出来なかったのか。どこに後ろめたさを感じたのだろうか。監禁した犯人で母親に乱暴した男が父親だからなのか、それとも奥さんと離婚してしまっていたことに原因があるのか、分からなかった。
段々と精神が不安定になり病んでいく母親のシーンが心が痛み、皮肉なことに監禁されていた時の方がジャックに対して優しく接していたことが印象的だった。