このレビューはネタバレを含みます
誘拐された娘が犯人にレイプされて出来た子供と寄り添って、苦難を切り抜けて、ようやく脱出。
決死の思いで逃げ閉じ込められていた「部屋」を激しく嫌悪する母親と、生まれてからずっと過ごしてきて住み慣れた「部屋」に無邪気に戻りたいという子供。
いつの間にか離婚していた両親。
娘の母親は更にボーイフレンドまでいて一緒に暮らしている。
一方父親は自分の娘と誘拐犯の血を受け継ぐ孫を受け入れられずあからさまに拒む。
そして、無神経なリポーターの留めの一言。
脱出後の苦悩が生々しく描かれ辛いが、
子供のジャックが小さな変化を少しずつ受け入れ、それに引きつられるように母親に伝わっていく過程と
それを優しく包む周りがあたたかくて(特に母親の彼氏の言葉遣いと立ち回りは心に染みた)
現実を受け入れて生きて行こうとする二人の未来が、決して悪いものではないと予感させる終わり方で良かった。
子供が変にいい子に描かれておらず、わがままを言ったり、聞き分けが悪いときもあったり、と演技も脚本もとてもリアルで良かった。
ひとつ気になるのが、脱出の方法が雑というか、犯人間抜け過ぎない?娘はさっさと逃げ出せそうだよね?と思ってしまった。
特にジャックを包んだカーペットを見ないでね!って言われて素直に見ないとか、カーペット担いで外に出たとき、横からすぐ逃げ出せそうなのが気になった。