けーはち

ガールズ&パンツァー 劇場版のけーはちのレビュー・感想・評価

4.3
大人気アニメの映画化。大洗女子のその後を追う!

★生身のアクション映画で地形や手近にあるものを利用して格闘を行うように、本作は地形や環境、あるいは建物の構造物を利用し、アニメならではというアクロバティックで荒唐無稽な動きをもってエクストリームな戦車戦を繰り広げる。戦車戦にほとんどの尺が割かれており、戦車アクションとして満足感がある。

★そのアクションを支える作画は文句の付けようがない素晴らしい出来。3Dモデルはグイグイ動くしセルとの切り替えもスムーズだし、カメラの視点移動も鮮やか。アニメで再現された大洗の街並みも素晴らしいし、女の子たちもとても可愛く表情豊か。

★シナリオ的には、「大洗女子が廃校に!→大学選抜に勝てば廃校を免れる!→みんな大洗女子に臨時転校して大洗女子を助けよう!」というシンプルなもの。新規ファンにも分かりやすい娯楽作に徹して、さらに、本編ファンは既存キャラ大集合を楽しめる劇場版ならではのゴージャスさが嬉しい!

★大集合系というのは映画ならよくあるが、少年漫画の王道である「かつての手強いライバルたちが頼れる仲間に」という展開が絡んでいるから激アツなのだ。例えば、既存の部活モノなら「キャプテン翼」ワールドユース編のようなものだ(例えが古い)。そう言えば、本作では戦車によるスカイラブ・ハリケーンみたいな大技も炸裂!

★劇場版の敵となる大学選抜メンバーについて、ほとんど描写がないのだが、相手も「家元」の娘ということであれば、西住と同じような境遇であるのは容易に想像がつくだろうし、幼くして飛び級で大学進学し選抜される天才ぶりは説明不要の判断か。おかげで、戦車戦と大洗メンバーの喜怒哀楽の描写に尺が十分取られているのでこのペース配分に間違いはないのである。

★嵐のように駆け抜ける爽やかな娯楽作。アクション映画と可愛いアニメ美少女を愛する皆さんにとっては必見の良作だ。