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トランボ ハリウッドに最も嫌われた男のENDOのレビュー・感想・評価

3.5
ウォルターはブルーメスを作ったが、トランボはアンフェタミンで、脚本をシコシコ書く。

レッドパージの辛さ。昨日の友が今日の敵。アメリカは恐怖を消費することで、敵を作ることで大きくなってきた。ソ連とその思想の弾圧。50年代のアメリカの病巣。
結果的に、スターリンは独裁的な政治を行ない、社会主義の思想が結果的に砂上の楼閣だったわけだが。

エドワード.G.ロビンソンやジョン・ウェイン、カーク・ダグラスが出てきて興奮。俳優は干されたら、隠れて出演はできないので転んでしまう。仕方なくないか?エディへの言葉はあまりにも辛辣だ。彼も被害者だ。
監督のE.ドミトリク、ジョセフ・ロージー、ジョン・ベリー、サイ・エンドフィールドなどヨーロッパに渡る。脚本家は偽名で生き延びる。

評論家のヘッダ・ホッパーのクズぶりがすごい。コラムの影響力にモノを言わせ大者プロデューサーのセシル・Bをも震わせる傲慢ぶり。本人役でサンセット大通りに出てる。

天才故にトランボも不遜なのだ。でも偽名で2回のアカデミー脚本賞。すごい。

50年代のスタジオの様子がわかる衣装や美術が素敵。キング兄弟の兄フランクにジョン・グッドマン。最高のやくざ者。金儲け主義者だが、その分差別なく雇う心意気。その方向性は、怪獣やらお色気やらでトランボ達、ブラックリストの脚本家達を辟易させるけど。

プレミンジャーの反骨ぶりいいよね。
形骸化したブラックリストが終わりの時を告げる。ケネディ大統領の鶴の一声。

色んなものがシュガーコーティングされて収まりが良くなっていることは間違いない。トランボは本当に天才だから、乗り切ったけど、他の脚本家や監督は亡命すらしたのだ。感動はなかったなぁ。ちょっとセンチメンタル過ぎるんだよ。蛇足で説明しすぎだわ。
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