あきしげ

愛しき人生のつくりかたのあきしげのレビュー・感想・評価

愛しき人生のつくりかた(2015年製作の映画)
3.5
アルバトロスフィルムが配給元。
B級映画ではないアート系映画。

『アメリ』
『善き人のためのソナタ』

この2本は名作とも言える作品。
アルバトロスフィルムが配給元。

意外にもアルバトロスは見る目がある。
しかも、本作はワザと吹き替えなしで、
作品の雰囲気を楽しませる粋な計らい。

まさにフランス映画という感じ。
派手な事は決して起きないです。
ずっとのんびりした空気である。
これが本作における魅力の一つ。

やはり、中心人物のマドレーヌです。
演じますのはアニー・コルディです。
彼女はフランスの国民的な歌手です。
女優としても数々の作品に出演した。
アニー・コルディは本作の肝である。
パワフルに行動するお婆ちゃんです。

そんなマドレーヌと仲が良い孫のロマン。
大学生で夜間はバイトする小説家志望で、
何かと運命の人を待っている夢見る学生。

マドレーヌの思わぬ行動で彼の運命も変わり、
それこそが待っても叶わなかった事なのです。

忘れちゃいけないのはマドレーヌの長男。
ミシェルをミシェル・ブランが演じます。
父を亡くし、母は失踪、定年退職をして、
なぜか妻とは上手く言っていない中年男。
どこか頼りないけどキレる時はキレます。

頼りない夫の妻であるナタリー。
シャンタル・ロビーが演じます。
ブツブツと言う夫を支える良妻。
不安を募らせる夫を元気づける。
だが、そのやり方は過激でした。

若者が追い求める夢。
老人のやり残した事。
中年が差し迫る岐路。

三世代が抱える悩みを盛り込み、
バランス良く構成させています。

まさに本作はフランス映画。
みんなが幸せを感じる映画。
あきしげ

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