このレビューはネタバレを含みます
大まかな展開は知った上で観たが、ラストの展開に驚愕。いつの時代にも見るべき作品だと思う。もちろん単なるコメディー映画ではない。
「(読者は)ヒトラーを笑っているだけではない、彼と共に笑っているのだ」(ウィキペディアより)というコメントが全てを物語っていると思う。笑えるように作られていながら、劇中で笑っている人をどこか冷めた目で見てしまったり、笑った自分を恥ずかしく思ったりさせられる。その点で日本語コピーの「笑うな危険」は非常に意味深く、(珍しく)優秀だと思う。
これが決してドイツだけの話ではないということを忘れずにいたい。
主人公の記者には本当に幸せになってほしかったし、受付嬢とのカップルは見ていて楽しかったので、残念。しかし障害者を排除したというヒトラーの政策とも重なる、良い意味での胸糞悪い演出になっている。それにしても、映像を見せるなりすることもできただろうし、他に誰も疑わないのは何とも… 受付嬢の祖母からの展開はとても良い。前もって認知症であることを示しているのも相まって、インパクトがとても大きい。
副局長が良い。オマージュのシーンが最高。あそこだけもう一回見たい。
犬が本当に見ていて辛かった。殺すのはギリギリ我慢ができても死体はもう、ダメだった。反対の声をあげた若者が叩かれるシーンも辛かった。
ロマンスと将来への不気味さとをミックスさせたラストのオープンカーのシーンは、どこか「ナイトクローラー」のラストを思わせる。
面白かったです!