お茶

ジョン・F・ドノヴァンの死と生のお茶のレビュー・感想・評価

4.3
絶望と希望の話

少年ルパートと、人気俳優ジョンの文通
そして、ジョンの死。

なんでジョンは死んでしまったの?
純粋にその理由を知りたくて、冒頭から一気にのめり込んだ。

人は大なり小なり、なにかしらの仮面をつけてると思うけど、嘘をつき続けると自分が分からなくなる
自分も傷つくし、人も傷つける。

でも、仮面をつけないと生きにくい世界があるのは事実。
偏見や差別、好奇の目に傷つけられ、自分を恥じる。
これは、映画の中でも言ってたけど、裕福な国の贅沢な悩み…ではなくて、人間が持つ悩みだと思った。

少年ルパート=ジョン=きっと身近にいる誰かなんだと思う

ジョンを死に追いつめたのは、誰だろう。

大きな孤独を抱えたジョンを思うととても悲しいけど、成長したルパートを見て希望を持てた。

ルパートとジョンの周りの人が皆、2人を傷つける存在に見えてしまうこともあったけど、それは人の全部じゃなくて、ある一面でもあることを知って、恥ずかしくなった。

たしかに世の中悪意はある。
それでも、人を一面だけで捉えたり判断しないで、優しくなりたいなぁ…と思うばかり

自分のスタイルを大切に。
そして、人のスタイルも、大切に!

ドラン監督の映画を観るのはまだ2作目だけど、自分が知らなかった、それか知らないふりをしていたかもしれない複雑な感情が、次々に湧いてくるから不思議

あぁ、しんどい〜と思いつつも、両足をドラン沼に突っ込んでしまった
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