面白かった！原作のテーマやエッセンスをどうやって映画としてエンタメに昇華するか気になっていたんですけどスマートに調理されていました。国同士の対立の描写とかはよく見る展開で「ハリウッド映画的にされてる」とも言えるけど、それが電話ひとつでひっくり返るところがとても好き。
電話というツールはこの映画でさんざん描かれる言語コミュニケーションというテーマにとって大事な役割を果たすにふさわしいものだと思えたし、彼女が発した言葉が彼にとってごく私的であり特別なものだったことはテーマの芯をついてる気もする。
言ってしまえば「言語が思考を規定するなら、（あれ）ができる言語があるかも」という話なんだけど、言語の分断、時間の概念、家族や大切な人についてだとか色んな角度で味わえる良い作品だと思います。これは原作でもそうなんだけど、原作は家族の話や言語の分析部分がもっと詳しく書かれてます。
そういえば…原作読んでて想像してたヘプタポットより映画の造形や声のほうがずっと怖かった！あと文字のイメージが違いました。最後の絵みたいなメッセージは迷路みたいなものを想像してたなぁ…。その辺りも含めて面白く鑑賞できました。良い映画化！
