すごい。自分の固定観念が見事崩壊した。
それを知った瞬間、「あぁ、そういうことか！」と、感動と驚きとせつなさがブワッッと押し寄せた。
宇宙、時間、不条理といった、大好きなキーワードが全部盛り込まれてる作品だった。
言語学者が主人公という点がおもしろい。「使う言語によって思考が変わる」という考え方や、その言葉の語源、意思疎通が全くできない他者の考えを言葉によってなんとか紐解こうとするところなど、ほんとに奥深かった。
言葉は重要なコミュニケーション手段だけど、少しのニュアンスで誤解が生じたり、それが大きな溝に発展したり、「取り扱い要注意」なもの。
対話を通してお互いを知って関係を深めていく。根気がいるけど、これが一番大事なことやなと改めて感じた。
音楽がすごく良くて、「あれ？このかんじどっかで…」とパンフレットを読むとやっぱり！
「ボーダーライン」と同じ人だった。
（監督もいっしょ。ブレードランナー2049も楽しみ！）
“殻”が最初に登場するシーンは、かっこよすぎて鳥肌が立った。
だだっ広い平原に巨大な物体、音楽が不気味で神秘的で、なんだかマグリットの絵の世界。
殻の出現で引き起こされた世界各地の人間の行動や、政治的思惑も交錯して、今の世界情勢を垣間見ているみたいだった。
