サラミ山カルパス

メッセージのサラミ山カルパスのネタバレレビュー・内容・結末

メッセージ(2016年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

【もし、未来を「思い出す」ことができたとしたら】

公開時に初めて観たときに感じたものが日に日に膨らんでいって、原作を買って読んで、最近また改めて読んでからの鑑賞。

切なくも美しい画、音楽、結末。そのすべてがどストライク。原作にはない設定(宇宙船、ヘプタポッドたちが地球に来た理由、一つの言葉による世界平和、”HANNAH”という娘の名前など)も素晴らしい。映画会社のクレジット順すら粋。ちなみにシャン上将にルイーズが伝えた言葉は、

”In war there are no winners, only widows”(戦争に勝者はいない、未亡人がいるだけ)

「いずれは大切な人を失う」というルイーズの未来は、普段意識することはないけど全人類に約束された未来でもある。その別れ、悲しみを受け入れて初めて人は出会い、喜びを享受することができる。最後のその日まで大切に生きていきたい。

最後に、原作の『あなたの人生の物語』を読んで特に印象に残った台詞を。

《何度も読み聞かせた本に辟易してふざけて読むルイーズと、それに怒った娘》

ル「へえ、お話がどう進むかがとうにわかってるんだったら、なぜわたしが読んであげなきゃいけないのかしら?」
娘「だって、聞きたいんだもん!」
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