すばらしき世界のサラミ山カルパスのネタバレレビュー・内容・結末

役所広司が凄えわ仲野太賀も凄えわ北村有起哉も凄えわ。邦画でしか得られない養分を摂取できた。周囲の人の理解と助けがなければ社会復帰することができない現実。三上にはそれらがあったはずだけど、それにもかかわらずあんな結末はあんまりだ。言うまでもなく本作は肉体的な死によって幕を閉じたが、それと同時に悪意の蔓延る現代社会で上手くやっていくには自分自身を殺すしかなかったという精神的な死も意味しているのではないか。真っ直ぐで、真面目で、人懐っこくて、丁寧で、誰にも分け隔てなく接する人でも、過去に犯罪を犯したことで不器用なだけで誤解され、零れ落ちてしまう。そんな「すばらしき世界」。

洗濯物が順番に取り込まれていく中で1着のタンクトップだけが暴風雨に晒され放置されているショットが不穏で良かった。

「津乃田龍太郎」って名前書くのダルそう。