このレビューはネタバレを含みます
謎の知的生命体と意志の疎通を図るために雇われた言語学者ルイーズ。「サピア=ウォーフの仮説」は、言語によって思考が規定されるという概念、実際にルイーズは知的生命体の言語を解読するうちに異なる仕方で世界を捉え思考することが出来るようになる。それは未来を見ることができる力で、ルイーズは自らに待ち受ける辛い運命を知ることになる。自分の過酷な運命を知り、ルイーズは運命を変えようとせず受け入れる。
彼女はなぜ運命を変えようとせず受け入れたのか。それはいずれ生まれる娘と、その運命が例えどんなものであれ出会うためだったのかもしれないし、そもそも子供を産むことが自由意志では制御しきれない事柄だからかもしれない。