mariko

サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)のmarikoのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

1969年にハーレムで開催された「ハーレム・カルチャラル・フェスティバル」。この映像が50年もしまいこまれてたなんてちょっと信じられない。クエストラブありがとう

ライブ自体も最高なんだけど、当時のハーレムの様子や時代背景も織り込まれてて、今なお問われ続ける差別や政治問題を鮮烈に突きつける、単なるノスタルジーでは終わらない作品。
このフェスの開催期間中、ちょうどアポロ11号が月へ降り立ったらしい。ハーレムの人たちは皆、月へ行くお金で貧困層を助けられた、自分たちには関係がない、月よりこのフェスのほうが重要だ、とインタビューに答える。他にもキング牧師やマルコムX暗殺とか、当時の時代背景がわかる事件が取り上げられるので、横の時間軸がいろいろ見えてきて興味深かった。

この映画自体かなり政治的だし、参加したアーティスト含め当時の関係者も政治的意識の強い人たちが大半だったろうけど、政治的な話題には触れず憧れのアーティストとステージを共にできる喜びを無邪気に語る歌手なんかもいたり、お祭り気分で参加したと当時を振り返る観客の声もあったり、純粋に「楽しいフェス」としての側面が感じられてるところもよかった。

あとはもうライブがすごい。強い。スライの当時のインパクトとかものすごく伝わってきた。
出てくる人みんな大物でびっくりする。そしてみんな若い。グラディス・ナイトがめちゃ若い。

途中に挟まれるインタビューには当時ライブを観に行っていた観客とか出演者が出てきて、そのインタビューもかなりよい。当時の映像を見ながら涙ぐむフィフスディメンションのマリリンの姿にもらい泣きした。

かなりよかったのでまた観たいし、DVD出してほしい。映画になって本当によかった。クエストラブありがとう
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