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アイヌモシリのmarikoのネタバレレビュー・内容・結末

アイヌモシリ(2020年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

現代を生きるアイヌの人々がイオマンテを執り行おうとするなかで、様々な問題が見えてくる。アイヌを名乗りながらもイオマンテを行なってこなかったことへの違和感、熊を殺すことに戸惑う気持ちや倫理観、観光産業への風評被害。アイデンティティや伝統と、現代社会での価値観との間で起きる葛藤は、きっと実際のアイヌの人々が多かれ少なかれ感じるものなんだろう。
映画で印象的だったシーンは、アイヌの人々が講師からアイヌ語を習ったり、儀式で歌うアイヌ語の歌のカンペが映るところ。アイヌの人々は明治以降日本語を強制されてきた歴史があるから、みんな普段は標準的な日本語を喋る。アイヌ語やアイヌの踊り、歌のような文化や伝統は、意識的に受け継がれてきたものなんだと思い知らされる。そしてそれが観光資源として、彼らの生活の糧となっている。現代を生きるアイヌの人々のリアルな生活ってこんな感じなのかな。


主役の下倉幹人くんの演技がすごく自然で素直な子なんだろうなと思った。髪を切った後の少し照れのある様子とか、同級生との談笑シーンとか微笑ましさ全開。めちゃくちゃ可愛かった〜〜〜
バンドで歌うシーンがあるんだけどすごく声が良い、実際にバンド活動をしてるみたいなので聞いてみたくなりました。
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