ショコラ

フランス組曲のショコラのレビュー・感想・評価

フランス組曲(2015年製作の映画)
4.7
ミシェル・ウィリアムズとマティアス・スーナールツの好演が光る。

堅苦しい“家”に縛られた内気な若妻、その屋敷に滞在する敵国の将校。

ピアノを介して、絆を深める男女。

ふたりが心を通わせていく過程が印象的。

リュシルの秘めた熱情が放たれるシーン、ブルーノが任務と良心の狭間で苦悩する姿は胸に迫る。

叶わぬ恋を諦め、逞しく立ち上がるリュシルと、どこまでも寡黙で孤高のブルーノ。

憂い漂う佇まいのふたりが、言葉なく、じっと見つめ合う表情に涙。

ブルーノの虚ろで哀しげな眼差しが、いつまでも脳裏に残る。

劇中、ナチス・ヒトラーの表現を排除しているのも感慨深い。

姑役、クリスティン・スコット・トーマスの存在感がドラマを引き締める。

秀作。
ショコラ

ショコラ