Tr ah ah ah ah😫WWwWWwWWwWWw WWw ah😫ah…y‼️‼️
just a little bit harder...
ジャニス・ジョップリンの「Try(just a little bit harder)」1曲を聴いて、と言うよりも、サビのシャウトを初めて聴いて、僕はとんでもない衝撃を受けました。
リアルタイムではなくて、もう世の中には女性ロックシンガーも大勢誕生していた1990年代の終わり頃でしたが、彼女達の音楽を初めて聞いた時より、段違いで衝撃的でした。
時代を切り開いたアーティストはたくさんいますが、女性ロックシンガーの原点は、間違いなくジャニスだと思います。
ブルースを歌うこともありますが、その中にも垣間見えるロックの衝動が、ジャニスを突き動かしているんです。
お世辞にも女性としてのルックスやセックスアピールは見劣りしていたものの、一度歌い出せば目が離せなくなる。
あの八の字眉毛をしわくちゃにして、噛みつかんとばかりに全身全霊で魂の叫びを歌うんです。
がらっぱちで歯に衣を着せないイメージがありますが、彼女は自分の容姿にものすごいコンプレックスを抱いていて、繊細な心を持っていたことが家族の証言で明らかになります。
当時求められていた女性らしさを、自分は持ち合わせていないと分かっていたジャニスは、理想を追い求めるより、今の自分ができること、自分でしか表せないものを表現しようとしていたのでしょう。
それは寂しさを紛らわす為の強がりだったのかも知れません。
恋多きジャニスですが、自分に正直だったからですね。
とにかく、自分を愛してくれる人を探し続けたし、それと同じくらい、周りの人を愛したジャニス。
彼女の人生を紐解けば紐解く程、天才的な才能を実感できますが、同時にジャニスの孤独と悲しさも痛いぐらいに伝わってきます。
終盤映し出される、同窓会でのインタビューの様子。
それがあまりにも切な過ぎます。
自虐的とは言え、笑って話せることじゃないよなぁ。
エンドクレジットで、著名な業界人がジャニスへの想いを語っていますが、すぐに「あっ、この人は確実にジャニスの影響を受けてるな」と分かる。
いや、影響を受けた人はまだまだいるでしょうよ。
今の映画人がタランティーノの影響を強く受けている人が多いのと同様に、ジャニスの遺伝子は多くのアーティストに受け継がれているはず。
まだ女性が「女性らしさ」を求められていた時代に、自らを偽らずに生き抜いた(生き急いだ)ジャニス・ジョップリン。
生まれる時代が違っていたら、もっと生き易かったのかも知れません。
否、ジャニスがいなかったら、今の女性シンガーの多様性はなかったかも知れないな。