映画を年齢に合わせるのでなく、年齢を映画に合わせましょう
IMAX 3Dで鑑賞
冒頭のタイトルバックからしてスポーツ中継のアオリVTRのようで、本編もそれに違わず、今作はゴジラとコングという怪獣界の二大巨頭による統一王座決定戦だ
完成された絶対王者・ゴジラに対し、伸び盛りの挑戦者・コングといったところだろうか
メインであるゴジラ・コングのタイマンに付随して、それぞれの側で謎の大企業エイペックスの企みを暴く少女探偵団with陰謀論おじさん、コングと行く地底大冒険ツアー、という人間によるドラマパート二本立てが展開され、今作での怪獣たちの行動原理を示すと共にモンスターバースの世界観が拡幅されていく
怪獣映画にしてはとても人間臭い名演技を見せる両師匠の前では生の人間のドラマなど添え物といえば添え物なのだが、どちらにもジュブナイル・アドベンチャーの風味があって決して悪くないし、そういうものとして観れば現実とは別の地球?というトンデモ世界観だったりハイテク企業にはあるまじきセキュリティのガバガバさなんかはとても些細なことに思えるのだ
この組み立てだとレン・セリザワことシュン・オグリの出番が削られるのは仕方ないか
特にコングパートは、コングと心を通わせる少女という完全正義視点でのび太の恐竜的帰郷物語や絶対王者に抗う術を求めるRPGクエストのような展開が描かれるため、どちらかというとコング側に感情移入しやすい作りになっている
メインイベントであるゴジラとコングの対決は言わずもがなの大迫力
咆哮や衝突音、また時折挿まれる両者の身体スレスレを通り抜ける飛行機視点のアトラクションのようなカメラワークなど、これは劇場の大画面・大音量でこそ体感するべきものだろう
また対決にある程度はっきりした結果を出しつつ、両者の間にまた別の存在を介入させることでどちらのメンツを立てることにも成功しているのが見事で、観客が観たいものに150%応えてくれる内容だったと思う
怪獣プロレス映画への欲求を充足させつつ、怪獣にはどこまでも圧倒的で自由でいて欲しいという小さき者の夢もしっかり形にした、とてもワクワクできる作品だった