けまろう

アズミ・ハルコは行方不明のけまろうのネタバレレビュー・内容・結末

アズミ・ハルコは行方不明(2016年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

『アズミ・ハルコは行方不明』鑑賞。男性に何かしらの被害を受けた女性たちの物語を、時系列をバラバラにコラージュしたような作品。コラージュの仕方が割と支離滅裂で、観客が行方不明になってしまいそうだ。付き合っていたはずの男に捨てられる安曇春子、グラフィティアート活動で除け者にされた木南愛菜、職場でセクハラを受ける吉澤ひろ子、結婚そうそう破局した今井えりなど、男性悪の被害にあった女性が沢山出てくる。それに対する怨みを体現しているのが、作品のアイコンのように登場してくる女子高生ギャングたち。彼女らは男性悪を成敗するべく、無差別に男性を襲い続ける。作品の筋から逸脱した、超越的存在だ。
クライマックス、先に男に失望した安曇春子が、男たちに裏切られて命を投げ出そうとしていた木南愛菜の前に現れ、いい生活をするのが最高の復讐よと教え諭す。それは、男たちにリンチをすることで復讐を成している女子高生ギャングたちとは対照的な姿勢だ。愛菜は幸福そうな笑顔の春子を見てどのような身の振り方をするのか、疑問を投げかける形で物語は終わる。
幸せになるのが最大の復讐というのはわかる〜!っと甘酸っぱくなってしまった。結局人間は自分より下だと認識している存在に対しては意識を向けない、という当たり前ながら残酷な事実を突きつけられた気分。
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