ゆき

君はひとりじゃないのゆきのレビュー・感想・評価

君はひとりじゃない(2015年製作の映画)
3.7
平穏

いつも隣り合わせにある「死」との関わり方ついて考えさせられる一作。
日に日に痩せる娘と、肥えていく父。明らかに深い溝のある二人。
妻であり母である一人の女性の存在がいかに二人を繋ぎ止めていたのかが明確に伝わる。
そして徐々に見え隠れする、セラピストの過去。
いろんな捉え方ができそうなシーンがたんまり続いて、見下ろす目線も多い。
手を取ったことがきっかけなのか、朝日が肩の荷を下ろさせたのか。
意味深で感情に軸を置いた余白だらけの見せ方は好みが分かれそうだけれど、個人的にはぼんやりとした画と淡々と進むストーリーのギャップが好きだった。

***
検視官の父親と、自分の肉体を拒絶する娘。父親は妻の死から逃げるように酒を手に取り、娘は食べ物と父親を拒絶する。娘の担当セラピストもまた死者と交信することで過去の傷を隠していた。
ゆき

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