のわーる

バジュランギおじさんと、小さな迷子ののわーるのレビュー・感想・評価

4.9
インドとパキスタンはお互い隣国でありながら、宗教的にも政治的にも激しく対立し続けている。
その緊迫した国境を越え、命の危険を冒してまで少女を家に帰そうとするパワン。かなり無謀な行動だけど、その人の良さと信仰心の深さが周囲の人々を動かしてゆく。

戦争は一握りの権力者がすること。人類の大半は平和を願っていて、根っからの悪人なんて多くは存在しない。
判断が間違っていれば国家にも逆らい、困ったときは敵国同士でも支え合う…そんな世界であって欲しい。

1人の青年が宗教や民族の壁を越えて奮闘する壮大な物語。心温まる二人旅の結末に感動と涙が止まらくなる。

バジュランギとは、ヒンドゥー教の猿神ハヌマーンの信者こと。ハヌマーンの神話には、囚われた女性を救出するエピソードがあり、その活躍ぶりがパワンの行動にも反映されている。
ちなみにハヌマーンは孫悟空のモデルにもなっていたりする。

インド映画には宗教的な背景が必ずと言っていいほど存在する。観る前に少し学んでおくとより深く楽しめるし、映画を観て興味が湧いたら調べてみるのもいいと思う。
のわーる

のわーる