インド映画にまた泣かされた。終始王道の展開であらすじを聞けばオチまで分かるんだけど、なんでこう泣いちゃうかなあ。涙もろい。
口のきけないパキスタンの少女がインドで迷子に。正直者のバジュランギはなんとかして彼女の親を探そうと、国境を超えてパキスタンに入ろうとするのだが…。
ね、だいたい展開からオチまで分かるやん。だけどこの映画にここまで感動するのは、これがインドとパキスタンの話だからなんだよな。
これがアメリカとカナダだったら、あるいは中国とロシアだったらこんなに感動しない。
インドとパキスタンは単に宗教が違うってだけじゃなく、第二次世界大戦の後、パキスタンがインドから独立する過程で、血生臭い戦争をしてきた歴史がある。
その名残でこの少女の出身であるカシミール地方は、今も両国が所有権を争っていて、国境線が曖昧なまま。世界地図を見ると国境線が点線になっていたりするはず。
だからこそ、単におじさんと無垢な少女のロードムービーに終わらない社会派映画としての魅力がある。
「子供たちに、憎しみじゃなく愛を伝えよう」という記者の言葉。「この男を一生パキスタンの牢獄に入れるなら、それは国(パキスタン)の恥だ」という警官の言葉。「異教徒?それがどうした」というイスラム教徒の言葉。
そしてラスト、今も曖昧な国境線の上で、2人が手を取り合う場面に涙を流さずにはいられない。わかってはいたんだけど、泣いちゃうんだよなあ。オチ言っちゃった。
演技面では女の子が名演すぎ。かわいすぎ。バジュランギは武道できない設定なのにマッチョすぎるだろ。
ただもうちょい短ければよかったな。仰天ニュースとかアンビリーバボーで同じ内容を45分でやっていても充分泣いていたと思う笑