風鈴の音と波の音の残響が観た後に残った作品。たまたま見たトレーラーが非常に綺麗で内容を気にせず劇場に足を運んだ作品。親の愛と本当の自分を探す苦悩、未来永劫を語った本作に似合う非常に洗練された美麗なシーンが多いこの作品。難しいテーマを監督シルビア・チャンの女性視点からのアプローチが自分の好みに刺さるりまくった。ドラマとしては静かな展開が続き、人生をうまく渡れていない登場人物達を見届けるにはフラストレーションを受ける展開も、今思えば母親（リー・シンジェ）の大きな存在に救われる・・それは観ている側にとってもだった。そんな母親に対して、理由もわからず置いていかれた兄と、母親に連れて行かれた妹だが突然の死別となってしまう状況に、両兄妹から母への怒りや疑心または兄妹間の嫉妬が生じてしまうこの話。ただラストには明かされる母親の大きな思いに少なからず誰しもシンパシーを感じるところだと思った。自分も立派な大人になったわけだが、自分の力だけで勝ち得た人生と考えがちだが、実は気づいてない部分で親の愛に育まれ今に至るのだろうことをこの映画で再認識させられる。この作品は名シーンを挙げればきりがないがやはりBerで酔い潰れたあとに出会う母親の再会のシーンはとてもノストラジックだし、自分は釣りのシーンに衝撃を打たれた。どちらにおいても親は偉大だということ。
映画のレビューではないが今回は初めて舞台挨拶も参加してみた。dvd特典映像のような裏話を直接聞けるのはなんとも新鮮だし、俳優のリアルな反応が楽しめたいい経験だった。またその様な機会があれば参加したい。
