あなたを、想う。の作品情報・感想・評価

あなたを、想う。2015年製作の映画)

念念/Murmur of the Hearts

上映日:2019年11月02日

製作国:

上映時間:119分

あらすじ

「あなたを、想う。」に投稿された感想・評価

ミク

ミクの感想・評価

4.0
子供の頃というか、結構大きくなってからも親の存在って確かに幻想的。知ってる部分は親としての表面だけで、人と人としての関係ではないから、それぞれが作った幻想の中の生き物って感じ。一番都合よく嘘をついたり、隠したりする関係。そのせいで、過去を引きずる羽目になるのも当然。今生かせれた人たちの幻想と幻想が重なった時は鳥肌。
とにかく映像が美しい。美しすぎる。海岸の風はシャツを気持ちよさそうに膨らませ、澄んだ青緑の水面と白い波飛沫が画面いっぱいに寄せては引いていく。ますます台東にいってみたくなった。緑島も。

登場するのは過去に囚われ続ける3人。恨んだり、想ったり、約束を胸に抱えたまま生きている。でも過去に隠された真実が明らかになることが、彼らの心の解決につながるわけではない。人生が続いていく限り、単に新しい事実が積み重なっていくだけだ。
映画のストーリー自体にも結末を作らず、過去と現在と未来が線上に続いていくことを示唆するラストがよかった。
たぶ

たぶの感想・評価

3.0
比較的重めの思い出を背負っている3人の半生。
それぞれ微妙に違うけど、父や母との出来事が大人になった今でも強く影響している。なんとか暮らしてるけど、何かが欠損している。本人たちはわかっているのかもしれないが、どう行動すればいいのかわからないまま、こころの思考よりも時が過ぎるのが速くて、少し溺れていく感じ。
もうちょっとで彼らの心がつながりそうでつながらない微妙な距離、最後ようやくちょっと触れられる感じ。
理解できないようで、でも端緒で少し共感できる不思議な作品だった。
ゆっくりな展開なので、思考を巡らしながら見ることができた。

立ち寄ったバーで泥酔したときの幻想のシーンがちょっとやり過ぎ。

兄さん役の柯宇纶(クーユールン)は、一度見たら忘れない顔だな。「台北の朝、ぼくは恋をする」にも出演してて、ちょっとマヌケなチンピラっぽい役が嵌まってた。
Ichiro

Ichiroの感想・評価

3.7
親と子について。台湾の美しい風景に見惚れる。ああ台湾に行きたい…。
akubi

akubiの感想・評価

-
夢の中への扉。過去への入り口がゆらゆらと、寄せてはかえす波のよう。

わたしは、恨んでいたのだろうか。それともただ、理由が知りたかっただけなのだろうか。

人魚と自分を重ねていたロマンチックに悲しい過去はやがて凪ぎ、静かに暖かい涙で霞んでゆく。
ヨシミ

ヨシミの感想・評価

3.4

このレビューはネタバレを含みます

演出が語りすぎず、画できちんと見せようとしている点が良かった。カット割りもゆっくりしてて、丁寧に話を積み上げる意思を感じた。
3人の話を収斂させようとして、ラストの前で本屋で再会にしたのかもしれないけど、あれは蛇足かな。妹が屋上にいるシーンで終われば想像の余地があったが、再会後に人魚の話を出されても感動が薄まったかな。兄が30超えても、積極的に妹を探さない点とか、これどうなの?っていう甘い部分はあるも、風景の切り取り方が上手く、画で魅せられてしまう。
淡々とした美しい映像、台湾の空気感が伝わってくる。
好きです。
映画館で鑑賞

形成された“親コンプレックス”とも言えるものが、彼・彼女ら、そしてその関係性をも脅かすことになるが、対立するものとして、そのコンプレックスによって、繋ぎ止められていると言っても過言ではない。
そんな葛藤の中で、当時果たせなかったことを間接的に果たすことにより、多様な意味で“親”を知ることができた。

そして、再開させたのは二者の間で共有された1つの詩。それは、母が作った袋のようで、彼ら兄妹にとって変容していく宝物のようになるのかなと思います。
(ボクシングも、その1つ。)

作中で、ユーメイが「答えは無い、あるのは事実のみ」と言ったように、「海は何色か」「太陽は何色か」そんな、考えれば考える程見えなくなり呑まれていく問に答えは無い。ただ1つ言えるのは、その絶大さで、子から見た親もまた同じで、隠れることはできても、逃れることはできない。

そういった複雑性を“親”が齎すのは、人魚の話のように、神秘的にも感じられます。

電車内で描いた絵が、線路の闇へと消えていく場面。自分の中にあるコンプレックスが解離してゆき、言い知れぬ喪失感に襲われているような、そんな感じがしました。

自分は、映画にはそれぞれの“におい”があると思っていまして、今作には「風が肩を撫でるような“におい”」がありました。
あさ

あさの感想・評価

-
母ってほんとうにすごい(そういう話ではないけれど)
緑島の海がきれい、海に溶けたい
ゆき

ゆきの感想・評価

3.8
結末のない物語

幼い頃に抱いたわだかまりは何を機に解かれるか。
果てない海と裸の岩肌、油の臭いがしそうな食堂のギャップが目を引く一作でした。緑島に行ってみたい。
夢物語の様に淡い母との記憶は、鬱々した現実と重なりながら、色を変えていく。
思いが強いほど記憶の中で形を変えるのか、妄想との境目が曖昧で。
曖昧さを際立たせる分岐点になったシーンのbar藤は実際にあるお店だそう。
緩やかに展開する3人の時間が、同じ場所で重なり始めてからの心がざわつく感じ。綺麗すぎない物語の余韻が好きです。

***
ユーナンは別れた母を追い、ユーメイは兄妹を引き裂いた母を恨んでいた。ユーメイの恋人・ヨンシャンもまた幼い時に父と離れている。違った形で親の愛情を探す3人の若者の人生が交差し始める。