安堵霊タラコフスキー

ヨーヨーの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

ヨーヨー(1965年製作の映画)
5.0
久々にピエール・エテックスの姿を見て思い出した傑作

65年のカンヌに出品され、ゴダールがその年のベストにも選んだと言われる傑作だが、何故この作品がパルムドールに選ばれなかったのか甚だ疑問に思うほどの傑作だった

全編に漂う哀愁や郷愁の趣、サーカスへの敬意だけでなくチャップリンやキートンらのサイレント喜劇や同じくサーカスを愛したフェリーニへの畏敬の念も感じられる作風、殆ど完璧と言っても良い構図やアクロバティックな演出の数々、とにかく素晴らしい点を挙げたらキリがないくらい凄まじい傑作

フランスにはジャン・ヴィゴやジャック・タチ、ジャン・ユスターシュ等手掛けた本数は多くないものの世に出した作品に途轍もない傑作が含まれるため伝説的な監督と呼ばれる人物が何人かいるが、ピエール・エテックスもこの稀代の傑作だけで伝説と呼ぶに相応しい偉業を達成した

それにしても2015年のフィルメックスで上映されて以降日本でこの傑作を全く見る機会がないから大恋愛と合わせてDVD化して気軽に見られるようにしてほしいものだ