マリリン

ジャッキー ファーストレディ 最後の使命のマリリンのレビュー・感想・評価

4.5
【なぜだろう、最後は胸が熱くなって泣いていた】
映画が始まるとすぐ、生理的に気持ち悪くなるストリングスの音が鼓動のように響き渡る。この音楽とも言えないストリングスの不協和音の効果が絶大で、この不快感を乗り越えるといつの間にか自分もジャッキーの苦悩を共有できるようになる。
歴代アメリカ大統領の中でも最も有名であろうジョン・F・ケネディの妻、ジャクリーン・ケネディ(通称ジャッキー)の夫が暗殺され葬儀をするまでの葛藤を後のインタビューで振り返るというストーリー。
撃ち抜かれたケネディの頭と脳みそをジャッキーがかき集めるあまりにも有名なシーンは、最初セリフだけで表現されており、最後の最後で全てが映像化されるまでその緊張感や不安感や混乱を高めていくナタリーの渾身の演技が素晴らしい。
ケネディはすでに暗殺されているし、葬儀までの準備やインタビューのシーンなどが多いので映像的に派手さはないが、最後に溢れるジャッキーの本音を聞くと、こちらも胸が熱くなった。
ファーストレディである前に、一人の妻であり、母親であり、女性であるジャッキー。そんな自分が亡き夫のために、子供ために何ができるのか。そして自分のために何をすれば魂は救われるのか。大変見応えのある作品だった。
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