カルテル・ランドのガルベスのネタバレレビュー・内容・結末

「カルテル・ランド」を鑑賞。
メキシコにおける麻薬カルテルの支配に対し、痺れを切らして立ち上がった自警団を映したドキュメンタリー映画。
そこは法やモラルが実質無効化された世界。
カルテルの暴力が野放しとなり、無力な民は不当な上納金を支払わされ、抵抗すればその人間のみならず関わった女・子供も構わず殺戮の餌食に遭ってしまうような狂気が日常となってしまっている。
それを取り締まるはずの政府や警察もカルテルとの癒着でズブズブの関係に溺れ、権力がまるで機能していない。
誰も守ってくれないなら自分達で対抗するしかないと銃を持ち、一人の町医者がリーダーとなり自警団を結成するのだが…。
悪が多数派となればその世界では正義となり、正義を掲げた少数派が理想に燃え蜂起したとしても徒労に終わってしまう絶望感。
観ていて、しきりに遣る瀬なくなるのだが必見の作品だと思った。