にょこ

シティ・オブ・ゴッドのにょこのネタバレレビュー・内容・結末

シティ・オブ・ゴッド(2002年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

非常に重たいだろうと、手元にあるのに中々見られなかった作品。
それを観た瞬間に後悔しました。もっと早く観ておけば良かったなー

こんなに暴力に溢れ、目を背けたくなるような現実をリアルに描いてるのに、スタイリッシュでサクサク進む!
このサクサク進むというのも実際リアルなんだろうな…悲しい事だけど。

実話に基づいているというけど、キャラクターもそれぞれしっかりと確立していてどの人物に焦点を当てても面白い。 ブスカペの回想によって進んでいく構成も良かった!
お涙頂戴は無し。説教臭さも無し。

スラム街に生きる彼らの話の中に、ブスカペの童貞捨てる為に頑張ったり、悪者になろうとしてダメで、不器用で真面目なキャラにクスッと笑えたり。

ベネ、まさに〝良い悪者〟。
彼はもし育った環境が違ったら普通の人なんだろうか。
リトル・ゼが1番中身が子供のまま育ってしまった大人に思える。
リトル・ゼが周りから尊敬されるのはカリスマ性かと思ったが、周りも子どもだって事なんだろうな。孤独な人です。
リトル・ゼにとって対等で、家族で、親友だったベネを失ったものは、恐らく死に慣れてしまっているリトル・ゼにもわかってないんじゃないかと思いました。

マネも悲しい。暴力の連鎖。彼があの場面でセヌーラの手を取らなかったら…と思わずにはいられない。

神の街のこども達が銃を玩具のように喜んで手に取り、ゲームの様に人を殺し、育っていく彼らはこれから第2第3のリトル・ゼとなるんだろうな。。
子供達に愛と教育がいかに大事かってことだよね。
貧困がおかしくさせてるんだろうけど、この悪循環を止められるものってなんだろう。

こういう映画を観て思うのは、自分の人生では恐らくこういったことを知ることができるのは映画だけ。
正直無知な自分には教科書だと頭に入って来ない。
映画だから、ストンと心に落ちて残るんだと思います。
にょこ

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