蒼井ことり

パディントン 2の蒼井ことりのネタバレレビュー・内容・結末

パディントン 2(2017年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

なんて優しい映画なんだろう。
もふもふこぐまの愛らしらさ、ピュアネス、シンシアリィ、惜しみない礼儀正しさと親切心が、もう観たというあなたも、これから観るというあなたにも、どうかどうか届きますように。

私にはちいさい甥っ子たちがいるから、パディントンに彼らを重ねていて可愛いと感じているのかな?と思ったけど、この愛しさ、それだけじゃない。
わたしにとってパディントンは理想の人間像なんだ。
-こつこつまじめに。
-人のいいところを見つけよう。
-誰にでも分け隔てなく優しく。
-見た目で判断しないでね。
-人を愛せば幸せになるんだよ。
ということを、
ペルーから来た移民のこの子が、これでもかと教えてくれます。


無駄なシーンがなく、どらもお気に入りのシーンになりそう。よく練られたた脚本。移動遊園地や上空から見下ろすロンドンの夜景、飛び出す絵本の中のロンドンや、夜空に浮かぶ気球など、ファンタジーなキラキラ感は全作よりグレードアップしてる。
パディントンの日常もボリュームアップ。
ブラウン家での生活から、街の人たちとの触れ合い、バイトの日々、刑務所生活、ブキャナンとの対決、さまざまな日々と要素がふんたんに並びに、ファンとしてはとてもとても贅沢気分。トレードマークのダッフルコート以外の衣装もとてもかわいく楽しい。スタッフがファンを喜ばせようとしている姿勢を感じる。
また、今回もロンドン案内をしてくれる内容。特に、飛び出す絵本でルーシーおばさんとパディントンが巡るロンドンはとても楽しく、おもちゃ箱のようで圧巻。
(パディントンがバスに乗る時の「おとなぐま一枚、こどもぐま一枚」というセリフと、ルーシーおばさんの「なんて礼儀正しい人。なんて礼儀正しい鳩」ってセリフが好き)

パディントンは本作でも、耳の先からうしろ足のつま先までめちゃくちゃ可愛い。スタッフがいかにパディントンを愛らしく描けるかに情熱を注いでいるのがわかる。
ブキャナン役のヒュー・グラントは歳をとったけど、落ち目の俳優役を演じる潔さ。自身の若き日の写真と並べられても、アイデンティティを損なわないプロ意識。

刑務所の面会日にブラウン一家が現れず、冷たいベットで横になりながら涙を流すパディントンにこちらも涙。
その直後のジャングルのシーンが優しく温かく、また涙。(前作も同じく空想の里帰りシーンがあったが、二作ともとても美しく感動的)。
水に飛び込んだ列車に閉じ込められたパディントンを救おうとするメリー。
2人の表情でのやりとり(水中だからセリフなし。)が切なく、美しく、種族を超えた家族愛が感動的で、またまた涙。
ラスト、パディントンがルーシー叔母さんの誕生日に送りたかった絵本は警察に没収されたため、その代わりに町のみんなが準備してくれたプレゼントは…
もうオチは分かっているのに涙・涙を!
全編とおしてパディントンの表情が本当に素晴らしい。

松坂桃李くんの演技はキーを高くして、前作よりさらにかわいらしく演じてくれてる。ブキャナン役の斎藤工もうまい。メリー役の斉藤由貴はとても良かったのに降板なのが残念。(映画ファンからすれば、スキャンダル云々は興味無しなので、続投して欲しかった)。
私の地域では日本語吹き替え版のみの上映だったので、字幕版も上映して欲しかった。
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