序盤の夜の張り込みや街の魑魅魍魎な雰囲気は良かった。だらしない師匠と、メキメキと成長する新人というベタな新兵バディものではあるが、クズみたいな仕事と思いながらも感じる快感の描写や、清濁併呑むような仕事観はちゃんと面白い。銃をカメラに置き換えた戦場。
ところが、殺人犯の顔写真を撮る中盤以降何でもありな雰囲気が強まり、タイトな緊張感が消え去ってしまう。テレビ映画的緩さなのか、都合の良い強引な展開が目に付く。惜しい。
最初の編集部に怒鳴り込むシーンは結構好き。「歴史から退場する下品な中年パパラッチ」に福山雅治を掛け合わせた不思議なバランスだが、それが毒にも薬にもなっていないのが勿体ない。
ちょっと分からなかったのが、ああいう週刊誌であっても、事件報道＝大きい仕事という感覚があるのだろうか。いずれにせよ、大きめなテーマに話を振る割りにイマイチ消化しきってくれない展開の散漫さが物足りなさの原因か。
1人で現場に来てしまう警察官。二階堂ふみの記者としてのストーリーが皆無。九蓮宝燈って言っても自分で並べてるし…みたいな演出の緩さ。最後のイメージショットの謎感。師弟の継承ものであるなら、無理に恋愛要素入れなくても良い気がするけどなあ。54点。
