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命のslvのレビュー・感想・評価

(2002年製作の映画)
4.0
18年前の作品だけれど、今この作品に出逢えて良かったな。
必死に生きようとする命の重み、愛の深み。
繋がっていく命の尊さ。
今の自分に、ズシリと響いた。

トヨエツと江角マキコさん、主役二人の熱演が本当に素晴らしい。
なんでフィルマの評価が低いのかわからないけど、私は良作だと思う。

主役の二人が、実在の人物を演じるという難しさに悩み葛藤しながらも真摯に向き合って、物凄い情熱を注いで演じたんだろうなぁという役作りの凄みが伝わってくる。

特に、トヨエツの役作りは本当に凄絶。
次第に弱々しく痩せ細っていく様がリアル過ぎて、なんだか痛々しいくらいだった…。

終始静かで淡々としたドラマだけれど、不意に胸を突かれて泣けてしまうシーンがいくつもあった。

トヨエツの、「自分の生まれ変わりをこの目で見たんだ。この手で抱いたんだよ。」の台詞と、神社で赤子を抱きながら声をあげて泣くシーン、病室でカステラ食べるシーンでは涙が溢れて仕方がなかった。。

江角マキコさんは、バラエティーとか『ショムニ』のイメージしかなかったから、こんなシリアスな役柄をやっているのが個人的には意外だったけど、この作品を観る限りやはり良い役者さんだなぁと改めて思った。
テーマも重く、凄く難しい役どころだったと思うけど、見事に役柄に入り込んで切々と丁寧に演じているのが伝わってきて引き込まれた。
佇まいも美しかった。
今さらながら、引退なんて勿体なかったのに…と思う。

そして、未読だった柳美里さんの原作をこの機会にぜひ読んでみたいなと思う。
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