ブタブタ

同級生のブタブタのレビュー・感想・評価

同級生(2015年製作の映画)
5.0
(BLには全く興味ない男の感想なのでお気に触りましたらお許しください)

彼女[腐女子=神谷浩史さん(リヴァイ・チョロ松等)目当て]に連れられ鑑賞。
不良っぽいビジュアルの少年・草壁君と優等生の佐条君の恋愛物語。
確か同じ製作スタジオの『放浪息子』でも見せた水彩画がそのままアニメで動き出した様な美しい映像が素晴らしかったです。
『ブローバック・マウンテン』がどちらか片方が女性なら単なる不倫ドラマなのでは?と思ったのですが『同級生』もどちらかが女の子だったら昔から非常によくあるオーソドックスなお話しだと感じました。
不良っぽい少年と優等生タイプの女の子の恋愛は少女漫画の基本ですし草壁君が女の子だったら昨今流行りのオタク男子とギャル子ちゃん的な話しになると思ったのですが、こう言った感想も門外漢だから抱くものでこの作品に対して(と言うより全てのBL作品に対して)意味無い物かとも思います。
自分がまるで興味ない物に「ヤンキーマンガ」が有るのですが、男だけの世界で繰り広げられる独自なルールや価値観、ケンカが強い、何人子分がいる、仲間に信頼されている等だから何なの?としか思えないのですが、あれは一種のファンタジーでありラノベとかなら異世界に召喚されたり任侠物なら組同士の抗争だったり、そういった「装飾」を一切取り除いた男同士の友情や殴り合いだけと言った「必要なもの見たいもの」だけで構成されたジャンル作品という考え方が出来るのですが、そこに興味を持てるか否かで作品に対する捉え方も違って来るのだと思います。
『同級生』も男だけの世界で展開する一種のファンタジーで、この「男だけ又は女だけの閉鎖空間」を舞台にした学園モノや恋愛モノやファンタジー(二次創作含む)で真先に浮かんだのは『ラブライブ!』なのですが、男が一切存在しない世界で展開される「スクールアイドル」と言う特別な存在と彼女らが競い合うアイドル甲子園?「ラブライブ」とμ‘sメンバー同士による友情や競い合いや恋愛(二次創作含む)の物語はヤンキーマンガやBLマンガの世界と同じく現実を舞台にした異世界のファンタジーであり男同士女同士の恋愛(擬似的な物も含む)が当たり前にあってそれが障害になったり苦悩する事があったりしても、男女の恋愛でも上手くいかない事や許されない事は当然ある訳で、それを乗り越えて2人が結ばれるのは恋愛モノの王道であり非常にストレートで前向きな『同級生』はより現実に即した、この手の作品には付き物の(これも偏見が入ってますが)背徳的な匂いがしないお話しでした。
草壁君と佐条君がある切っ掛けを元に友達から恋人へと移行して行く様が極々自然に描かれています。
2人の障害になるモノも男同士であると言う事よりも佐条君にちょっかい出す先生だったり(原作ではもっと絡んで三角関係?みたいになるらしいですが)進路によって離れ離れになってしまうとか現実的な理由が主なので、同性による恋愛は始めからそこにあって多少の戸惑いやあと一歩踏み出せない気持ち、そしてそれを乗り越えるお互いの勇気等2人の未来を応援したい、きっと2人なら大丈夫だと思ってラストは思わず涙が零れそうになりました。(隣の女性は泣いてました)
BLマンガは興味ないと書きましたがルネッサンス吉田先生の作品はBLと言う部分を抜きにして(いえBLを否定していると言う事でなく)ファンなので『 茜新地花屋散華』の様な架空の日本?を舞台にした背徳的なお話し「異世界として展開されるBL」も是非ともアニメで見てみたいです。
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