コックピットにいないとわからないこともあるし、コックピットにいてもできないこともある。
もしも9.11がなければ、この事故がこれほど世界中に注目されることはなかったかもしれません。また、AIが航空機を操縦するようになった時代に、この事故が帯びる物語性は、きっと今とは異なるでしょう。そう考えると、これは人間について、もっと言えば、タイトルが示すようにサレンバーガー機長についてのドラマだなと思います。
運輸安全委員会による調査なんて味気ないもののはずだけど、敢えてそれを軸に描くことで、抑制の利いた、白けないドラマに仕上がっていたのが、よかったです。