きゃん

ふきげんな過去のきゃんのレビュー・感想・評価

ふきげんな過去(2016年製作の映画)
3.8
可笑しくも切ない、愛と孤独と成長を描いたひと夏の物語。小泉今日子と二階堂ふみの自然体の演技が良い。

毎日が死ぬほど退屈でつまらない女子高生の果子。目に見えるものだけ見ても仕方がないと、いるはずのないワニを見つけようといつも不機嫌そうな顔で運河を睨んでいた。そんな退屈な毎日を過ごしていたある日、死んだはずの伯母が突然戻ってくる。伯母の未来子の出現により、ただやり過ごすはずだった退屈な夏が特別な時間へと変わっていく・・・

小泉今日子と二階堂ふみのセリフの掛け合いがコミカルでテンポが良くておもしろかった。罵りあいながら取っ組み合いのケンカを繰り広げるシーンは見応えがあった。

二階堂ふみちゃん演じる果子はずっと不機嫌でたまに本気でキレる。何をしてもつまらない、つまらないけど何もしたくない。あの年齢独特の気だるさを上手く表現していた。
果子にまとわりついている、いとこのカナちゃんが良い味出してた。好奇心旺盛で、果子に雑に扱われても気にしない強心臓ぶり。

未来子の「人間は言葉でできている」
というセリフが印象的。生きているのに死んだと聞かされれば死んだと思うし、死んでいるのに死んだと聞かされなければ生き続ける。不思議だ。
不思議な空気感を持った作品で、未来に期待を抱けるような作品。
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