これでもかと広がっていくストーリーのつなぎ目はそこでしたね。タイトルもそのまま、ちょいネタバレっぽいけど。
今時の出会いやら、何もかも手にしたかと思えば一気に全て失う危うさやら。人は底辺社会に近づくのは案外容易い。「今っぽさ」を取り入れながらも、浮世離れしたタッチも入れつつ結論まで導いている。
見つめたくない現実があって、そこから逃げようとして初めてわかる人の優しさまでもが信じられなくて。虚構に慣れすぎた人間だって最後に求めるものがあってもいい。そして優しさをくれるのは遠くの血縁だけじゃない。春風と共に希望がやってきたような作品ですね。