ひろ

ディセンダントのひろのレビュー・感想・評価

ディセンダント(2015年製作の映画)
3.5
話の展開も結末もある程度読めたため、安心して気楽に観ることができたが、シンプルなメッセージとハッピーエンドが意外にも心に刺さった。

オープニング曲のダンスはキレが抜群だったものの音楽が今ひとつで、ミュージカルとして大丈夫か心配したが、杞憂だった。
"Did I Mention?"や"Set It Off"も良かったし、"Be Our Guest"には思わずテンションが上がった。
ただ、中でも1番良かったのはマレフィセントの"Evil Like Me"だ。
彼女の歌声に思わず聴き入ってしまい、目が離せず、ひたすら惹き付けられた。
gleeのエイプリル役の時からわかってはいたが、彼女は本物のスターだ。

キャストも見たことない人ばかりだったので、変に先入観なく観ることができた。
ベンが正統派イケメン(日本では福士蒼汰ポジ?)なのはいいとして、マルがめちゃくちゃ可愛い!
特典映像のダンス特訓の時は地毛のブロンド姿だったが、どちらも可愛かった。

特典と言えば、最後のSNS風の後日譚も面白くて良かった。
特典まで凝れるのがディズニーの強みだな。
※余談だが、特典で1番好きなのはレミーのおいしいレストランで、作ったアニメーションをカットされたクリエイターたちの嘆きだ


鑑賞時は考えなかったが、実はこれも王子様との結婚こそが幸せというディズニー神話(のもとになっているグリム童話等)の作品なんだな、と思った。
それが良いとか悪いとかではないが、最近の作品はそこから脱却するのがブームになっているから気になった。
でも、今のブームである「王子様はもういらない。結婚だけが人生の目的では、私たちの幸せではない。自分の幸せは自分で掴み取る」という考えも、いつしか"自分で選択して自分の道を切り開いていく強さ"を持つことに人々が疲れ、古いディズニー神話に回帰していきそうな気がする。
そして両極への回帰を何度も繰り返すんじゃないか、と思った。


P.S.
強い女性と双極を成す最近のブームである黒人については、オーロラのおばあちゃんしかいなかった。
最近のデモの光景をニュースで目にしておいてなんだが、不自然に黒人推しされても戸惑うところはあるので白人の美男美女のラブコメで観やすかった。
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