まりん

フェリーニに恋してのまりんのネタバレレビュー・内容・結末

フェリーニに恋して(2016年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

本物の箱入り娘ルーシー。可憐だ‥と思ったら、PETでDominic Monaghanに監禁されていた子だ!
この設定は、Stellan Skarsgard主演のKiss Kiss (Bang Bang)と同じだわ。大好きな映画。
あっちは決して美の付かない青年で、殺し屋との交流なんだけど、親が愛故に外界との接触を断って、純真無垢に育って、そこから出て愛を知って行く・・と言う設定が。
美の付かない青年なんだけど、純粋で、守ってあげたくて、時々たまらなく愛くるしく思えたババを演じたのは、今は亡きChris Penn。Sean Pennの弟です。

兎に角、親の愛と美しい物に囲まれ、悩みから切り離されて育てたら、天使に育つのね‥と思わずにはいられない。

だけど、親は老い、病む。一生・・守る事は出来なくて。
なんだけど、強いわよね。臆することなく飛び出せる。危機管理能力もちゃんとある。

彼女が惹かれたFederico Felliniの作品は確かに難解。ヨーロッパ映画はその傾向が強いけど、答えの無い繋がらない映像を見せられている感じ。
だけど、どうしようもなく惹かれるのも分かる。心のどこかに触れて来たら、逃れるのは容易じゃない。
映画祭で、口を開けたまま圧倒され呆然と目が離せず凝視していた気持ち、分かるなぁ。
未知の物に一気に心を持って行かれる感じ。

可憐な異国の少女が出会うイタリアは、迷宮のようで、危険で甘美で刺激的。イタリアだもん。そうでしょ。
大人の階段を上がる人生勉強のハードレベルに最適でしょ。

子供は親の所有物じゃなくて、非難される事なのかもしれないけれど、素敵な人生だと思わずに居られない、素敵な映画でした。
まりん

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