邦題からして、シニア層をターゲットにした、よくありがちの大団円な話かと思いきや、とんでもなくシュールではないか。びっくり。これ、邦題の『偉大なる』は取って全然いいのに。
マルグリットが、自身が音痴であることに気づいていたか、全くそうでないかで議論は分かれるかもしれない。それを取り巻く人たちの心境の変化を見守るのが本作の見方。マルグリットを利用する・しない、馬鹿にする・しない、愛する・愛していない、その変化の面白さ。
そしてキーパーソンは結構意外な人でした。この人の病み方なんて本当にフランス映画的な描き方。この手の作品はまず日本ではできないでしょう。ほんわか笑えるシニア層対象映画かしら？なーんて、うっかりおばちゃんたち同士で気楽に観に行っちゃったら大変だよー（笑）手強いよーこれ。この毒を楽しんでください。
