鮃サブロウ太

映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生の鮃サブロウ太のレビュー・感想・評価

2.0
壮大な家出物語といってもいい『のび太の日本誕生』のリメイク版。
原作や大山版に忠実な展開に安堵しながら観ていたら、最後の30分で全てを台無しにする改竄とも呼びたくなるような改変が施されていて唖然とした。一言で言えば登場人物が皆勇敢になりすぎている。
ククルも一戦力にとなり死力を尽くすが、なんでこんなハチャメチャな展開に持って行ってしまうのか。
原作も大山版も、本作においてはドラえもん達の窮地を描いていた。それは、言うなれば一世紀の壁である。本作はその超えられない壁に必死に食らいつき挑む姿を描いている。勇敢になりすぎているというのはそういうことで、そこまでのび太達がヒーローになる必要があるのかという疑問が湧いてくる。
良かった点は、序盤でのび太のパパが家出に理解を示していた点。この演出がママの気持をほぐしラストのほっこり感に繋がっている。