へちょりーの

ゼロの焦点のへちょりーののレビュー・感想・評価

ゼロの焦点(2009年製作の映画)
3.9
松本清張の同名小説の映画作品。
映画の制作は2度目。
ドラマでは何度もリメイクされている不朽の名作。

戦後の昭和の重たい空気感と、冬の石川の冷たい雰囲気が全編を通してしっかりと描かれている。
過去の映像や新聞記事を用いたプロパガンダ的手法も僕は嫌いでなはいし、この手の映画には効果的な技法だと思う。

禎子・久子・佐知子、3人の印象的な女性がこの話の主軸になる。
広末涼子のキャスティングには正直疑問が残ってしまう。
それは中谷美紀・木村多江の演技がかなり良く、主役を引き立てる以上に食ってしまっている。
その点が話がしっかりとしているだけに、非常に残念だった。

原作とはもちろん違う特色を持たせた脚本だが、この作品はこの作品としてしっかりと楽しむことができた。