♪ 植物園で倒れ 泣き崩れちゃっても
君は綺麗だな 血みどろになっても
綺麗だ
岡村隆史さん主演(違う)映画第三弾。
やっぱり続編を作るのって難しいんでしょうね。
魅力的な敵を仕立てられなかったからか、全体的にボンヤリとした印象の作品だったんです。
僭越ながら書かせてもらうと、本作が狙うべくは“やるせなさ”だったと思います。言うならば、強敵(とも)と闘うことになる運命を嘆きながらも、拳で語り合う漢たち…みたいな感じ。
素材も揃っていましたしね。
世紀末救世主伝説のような治安の悪い香港。
利益のためならば子供も盾にする悪漢たち。
そして何よりもマイク・タイソン!「壊し屋」と呼んで差支えのないパンチは健在でした。
でもねえ。配慮しちゃったんですかねえ。
非道な悪役になり切れていないんですよ。優しい眼差しが見えますしね。でも、あれは撮影側のミスだと思います。編集中にカットすれば良いだけですからね。
あと、ヒロインも微妙でした。
監督さんが気乗りしないのか、リン・ホンの良さが出ていないんです。だから、岡村隆史さん(違う)との間も“夫婦”という感じがしないんです。
勿論、夫婦の間は他人が踏み込めない領域。
それに岡村隆史さんはプライベートでもこだわりが強いと伺っていますし…そういう印象が先立つのも仕方がないんですが…って、本作の主演はドニー・イェンですよ!分かっていますよ!
でもねえ。やっぱり彼女は微妙でしたねえ。
文化の違いかもしれませんが、女性の魅力を惹き出すのに国境はないと思いますし、もう少し違う描き方があったのではないか、と思います。
まあ、そんなわけで。
下地となるドラマが支えるからアクション映画は面白い…と再認識した作品。チョン・ティンチを演じたマックス・チャンだって歴史に名を遺す強敵(とも)になり得た筈なのに…うん。色々と残念です。
「悲しみをしらぬ男に勝利はないのだ!!」